家の売却における現状渡しとは…

2022/02/22

家の売却における現状渡しとは?メリットやデメリットと売主の責任②

家の売却における現状渡しとは?メリットやデメリットと売主の責任②

家を現状渡しで売却するメリットについて、項目ごとにお伝えします。

●現状渡しのメリット①修繕費用がかからない

現状渡しで売却する場合は、建物の劣化や不具合をそのままの状態で引き渡すので、売主は建物の修繕やリフォームする必要がなく、費用を抑えられます。

老朽化した建物は修繕箇所が多く、費用が高額になることも少なくありません。

そして売却する前の修繕は、自己資金で捻出しなければなりません。

また、売却の時期や価格が希望通りに進まなかった場合は、修繕費用によってマイナスになることが考えられます。

現状渡しであれば、修繕のためにまとまった金額を用意することなくコストが最低限で済むでしょう。

資金繰りがひっぱくしている場合は大きなメリットです。

●現状渡しのメリット②早期売却できる

現状渡しの売却方法は、早めに売却活動がおこなえるメリットがあります。

少しでも早く家を売却したい方におすすめです。

修繕作業やリフォームは規模によっては数か月に及ぶ場合があるので、家を手放すまでに時間がかかります。

修繕は工事を請け負う業者を探すことから始まり、スケジュールの調整、着工、工事完了と多くの工程が発生します。

段取りよく進まない場合は、物件の売却活動の開始に影響が出てしまいます。

不動産は売却を始めてもすぐに契約できるとは限らず、長いと数年かかることも考えられます。

不動産の売却活動にとって、物件の売り出しが遅れることは大きなデメリットです。

現状渡しは、売却に早期着手できるところが利点です。

転勤や進学のような事情で一刻も早く売却したい場合は、現状渡しをご検討ください。

●現状渡しのメリット③不動産会社による買取で契約不適合責任を免責

個人間売買において、契約内容に不適合が認められた場合、売主は契約不適合責任を問われます。

建物や設備が古く、把握しきれていない不具合がある可能性が高い場合は、引き渡してからトラブルに発展するリスクがあります。

個人間売買に不安がある場合や、現状渡しでは買い手が見つかりそうにない場合は、不動産会社への買取依頼がおすすめです。

不動産会社が仲介して個人に売却する場合は契約不適合責任が適応されますが、宅地建物取引業者である不動産会社との契約はほとんどの場合、契約不適合責任は該当しません。

個人への売却は成約時期の目処が立ちにくいですが、不動産会社による買取であれば短期間で売却が完了します。

リスクを減らし、早期に家を現金化するメリットがあります。

【家を現状渡しで売却③現状渡しのデメリット】

家を現状渡しで売却するメリットについてお伝えしましたが、デメリットと注意点についても知っておきましょう。

●現状渡しのデメリットと注意点①売却価格が安価になる

現状渡しの取引は、瑕疵を容認していることから価格が相場より安価になりやすいというデメリットがあります。

建物に不具合があるため、その他に好条件が揃っていない限り価格を下げて売り出すケースがほとんどです。

しかし相場より安価で市場に出すことで、売却期間が短くなりその分の経費を抑えられる可能性もあります。

修繕費用をかけずに、税金など最低限の費用で売却が成功すれば、結果的に満足度の高い取引になるでしょう。

不動産取引は、損をしないことが大切です。

相場より多少安価になったとしても、適切なタイミングで手放すことが賢い判断と言えるでしょう。

●現状渡しのデメリット②契約不適合責任の効力

家が古い場合はとくに、売主が知らない不具合が発生している可能性が考えられます。

雨漏りしていることを売主は知らなかったため契約書に記載せず、あとから雨漏りが明らかになった場合、売主が負うべき責任として修繕する義務があります。

現状渡しの契約は、把握していなかった不具合に対しても効力が及ぶ契約不適合責任を負っている点がデメリットに挙げられます。

また当然のことながら、高値で売却したいがために、仲介をする不動産会社や買主に瑕疵を隠すことは危険です。

発覚後に修繕が求められるだけなく、高額な損害賠償を請求されるかもしれません。

問題を回避するために、経年劣化の傷なども細かく報告書に記載しておくと安心です。

「このくらいは大丈夫だろう」とご自身の判断で記入しなかった内容が、のちにトラブルにつながる恐れがあります。

●現状渡しのデメリット③ゴミは撤去しなくてはいけない

現状渡しは建物の瑕疵に対してであり、家のなかにある家電や家具、ゴミは瑕疵に該当しないため、撤去しなければなりません。

家具や家電はそのままでも良いと買主の同意を得られた場合は、売買契約書に記載したうえで私物を撤去しない状態で引き渡すことができます。

ただし、内見の際に物が乱雑に置かれている状態は印象が悪くなる可能性があるので注意しましょう。

建物自体に不具合がある状態で、さらに不要品が溢れていると買い手が見つかりにくいかもしれません。

不要な物はあらかじめ処分しておくことがおすすめです。

【まとめ】

家を売却する方法として、現状渡しについて解説しました。

家に不具合があったとしてもそのまま売却するため、その内容を正しく伝える告知義務などの売主の責任があることを覚えておきましょう。

現状渡しは、最低限の自己資金で早期に売却活動がおこなえるメリットがあります。

デメリットもご理解いただき、納得できる売却方法かどうか検討してみてください。

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