不動産の共有とは?共有した不…

2022/03/21

不動産の共有とは?共有した不動産に及ぶ権利やトラブルについて解説します

不動産の共有とは?共有した不動産に及ぶ権利やトラブルについて解説します

不動産の共有とは?共有した不動産に及ぶ権利や共有の解消方法を解説

 

不動産を相続する際に、相続人が複数存在すると共有で相続するか悩まれる方が多いでしょう。

不動産を共有すると、単独所有とは異なる不自由さやトラブルに発展する事例があることを事前に把握しておきましょう。

この記事では、不動産を共有するとはどういうことか、解消方法などを含めてお伝えします。

【不動産の共有とは?共有持分の概念やトラブルの事例】

不動産の共有とはどのような状態か、また各共有者の「共有持分」についてお伝えします。

そして不動産を共有することで起こりやすいトラブルについても解説します。

●不動産の共有とは?

不動産において、共有とは登記簿上で1つの不動産を複数の人や法人で持ち合っている状態をいいます。

不動産を共有するケースは、遺産相続した不動産の相続人が複数だった場合や、夫婦が共同で家を購入した場合などが挙げられます。

さらに共有持分とは、それぞれの共有者が所有している割合のことです。

共有持分とは権利上設定されているものであり、物理的に不動産が分けられているわけではありません。

たとえば、100㎡の土地を2人の所有者が共有しているとします。

各共有者の持分が2分の1の場合、所有している権利が2分の1という考え方であり、共有持分が50㎡という意味ではないことにご注意ください。

共有者は持分の割合に関わらず利用する権利があります。

●不動産を共有することで発生するトラブル

不動産を共有すると、共有者同士の関係性や意見の食い違いにより、トラブルに発展することがあります。

不動産に対する行為によって共有者の同意が必要な場合があるので、思い通りに不動産を活用できなくなることが理由です。

●トラブルになるケース①売却や賃貸が困難になる

共有の不動産を売却するには、共有者全員の合意が必要です。

兄弟姉妹が不動産を共有で相続したが、他の共有者が反対するため有効活用できないという揉め事は少なくありません。

相続した当初は共有者同士が親密な関係だとしても、長い年月が経つとお互いの考えが変わることや疎遠になることも起こり得ます。

いざ相続した家を売却しようとしても、他の共有者と連絡が取れないこともあります。

不動産を共有すると、好きなタイミングで自由に活用することが困難になる可能性を頭に入れておきましょう。

●トラブルになるケース②二次相続により権利が複雑になる

共有者が死亡して子どもや配偶者に二次相続された場合、権利関係が複雑化します。

長く不動産を放置し、いざ管理しようと思ったときに、誰が相続人であるか把握できずに探し出す時間や労力が必要な場合があります。

相続人が身近な親族であるうちに、不動産の管理や処分の方法を話し合っておくことが大切です。

二次相続で共有者同士の関係性が希薄になると、話し合いをすること自体が困難になることが懸念されます。

不動産の方向性を固めるにも、さまざまな考えや思惑がでてきて一筋縄ではいかないでしょう。

●トラブルになるケース③負担する維持費の割合で揉める

不動産は所有しているだけで一定の維持費が必要です。

固定資産税や維持管理費において、共有者の持分の割合に応じて誰がどれだけ負担するか話し合わなければなりません。

誰も住んでいない不動産は、管理のために遠方まで出向かなければならない場合もあり、負担が大きくなることがあります。

このような場合、誰が管理するかは事前に明確にしておくと良いでしょう。

不動産の共有持分に及ぶ権利とは

他者と共有している不動産において、各共有者がどのような権利を持つか解説します。

行為によって、共有者が単独でおこなえることや全員の同意が必要など異なるため、違いについて理解しておきましょう。

共有者が単独でおこなえる行為は極めて限られ、持分割合を多く持っている方の意見に左右されることがあります。

実行できたとしても、事前に話し合いの時間を持たなければならないことも不自由に感じる点に挙げられます。

●保存行為とは

共有の不動産に対して「保存行為」は、各共有者が単独でおこなえる行為です。

保存行為とは、不動産の現状を維持することを目的とした行為です。

たとえば、住宅設備の修繕やリフォームなどが該当し、はがれた外壁の塗装や雨漏りの修理などが挙げられます。

共有者は、そのままにしておくと不動産の価値が低下する恐れがある場合に、価値を維持するための行為をおこなう権利を持っています。

さらに不法占有者に対して明け渡し請求をおこなうことも含まれます。

●管理行為とは

共有の不動産に対して「管理行為」は、持分割合の過半数の同意をもって実行できます。

管理行為とは、不動産の賃貸や現状を大きく変える規模のリフォームなどが挙げられます。

ただし、管理行為の範囲内の賃貸とは、借地借家法の適用を受けない契約であり、土地は5年以内・建物は3年以内の契約に限ります。

また、賃貸借契約の解除や賃料の変更も管理行為に含まれます。

●処分行為とは

共有の不動産に対して「処分行為」は、共有者全員の合意がないとできない行為です。

処分行為とは、売却や抵当権設定、借地借家法の適用する長期にわたる賃貸借などが該当します。

持分割合に関わらず共有者のひとりでも反対する方がいる場合は、処分行為を実行する権利がありません。

共有持分のみ売却することは単独で実行できますが、市場価格より著しく下がることが一般的です。

購入者は第三者と不動産を共有しなければならないことや、不動産を自由に扱えないことなど、マイナス要素が多いことが理由です。

また、建物においては解体工事も処分行為に含まれます。

相続した建物の劣化が激しく崩壊寸前だとしても、解体工事は建物自体を処分する行為とみなされるため、共有者全員の同意を得なければなりません。

共有は共有者の権利や利益を守る観点から、共有者の同意がなければ行使できないことが多く、実務上不自由に感じるケースがあることを理解しておきましょう。

次回は共有の解消方法についてご説明します。

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