2022/04/02
ローン残債がある不動産は売却できる?抵当権やローンの状態について解説②
【ローン残債がある不動産を売却するには?
オーバーローンの場合】
続いてアンダーローンの反対で、売却価格よりローン残債が多い状態であるオーバーローンの対応や流れについて解説します。
たとえば、「ローンの残債が2,000万円あるが、売却価格が1,000万円にしかならない」という場合です。
売却してもローンが残るため、負債をどのようにまかなうかを検討しなければなりません。
オーバーローンに対して、2つの解決策をご説明します。
●オーバーローンの解決策①自己資金でローン残債を完済する
まずはローン残債を手持ちの自己資金でカバーする方法です。
貯金をお持ちの場合や、ご両親や身内から資金を借りられる場合は利息が発生することなくローンを完済できます。
オーバーローンの差額を貯金でまかなう場合は、手持ちの現金が大きく減ってしてしまうので、今後必要な諸費用を計算したうえで慎重にプランを立てましょう。
お子さまの進学費用や急な出費が発生することを念頭に、手元にある程度の現金を残しておくことをおすすめします。
また、ご両親や親戚からお金を借りる場合は、贈与とみなされないように借用書を残しておくなど、返済意思を明確にしておきましょう。
●オーバーローンの解決策②住み替えローン
次に住み替えローンをご紹介します。
住み替えローンは、現在お住まいの住居を売却し、新たに住居を購入する場合に活用できる方法です。
現在支払っている最中のローンの残額と、新たに購入する住宅の費用をあわせた金額を借り入れます。
住み替えローンであれば、手持ちの資金をそのまま残して長期に渡り返済できるというメリットがあります。
注意点としては、借入額が大きくなるのでローンの審査が厳しくなることや、金利が高くなる場合が多いことが挙げられます。
年齢や年収、ローンの残額などの要素が金融機関によって厳しくチェックされます。
ローンの審査に通ったとしても、綿密な返済スケジュールを立てて、生活を圧迫しないように慎重に検討することが必要です。
また、住み替えローンを利用するには、現在居住している不動産の抵当権抹消と新居の抵当権の設定を同時におこなわなくてはなりません。
そのため「ご自身が新居を見つける」「新居を購入する」「今お住まいの家の購入者を見つける」「お住まいの家を売却する」という4つのタイミングを合わせる必要があります。
つまり、売却活動と物件探しを同時進行することになるため、不動産会社と連携しながら進めることをおすすめします。
【まとめ】
現在の住居の売却をお望みの場合、ローン残債があったとしても、ご自身の状況を把握しそれに合わせた手段を選択することで、売却は可能になります。
まずは抵当権を抹消し、不動産の売却価格とローン残債によってアンダーローンかオーバーローンかを把握し、どういった売却手段をとるかご検討ください。