2022/05/06
増え続ける利用価値の低い「負動産」
不動産の中で「負動産」になりやすい物件とは?
親が亡くなった際、不動産を相続する方は多いのではないでしょうか?
しかし、利用する予定がなく放置したままでは「負動産」となってしまうこともあり、その場合どのように処分すれば良いか困る方もいるでしょう。
そこで今回は、不動産売却において「負動産」になる可能性のある物件とはどのような不動産なのか、またその処分方法を解説します。
不動産を相続し処分方法にお困りの方は、ぜひ参考にして不動産売却をおこなってください。
【不動産売却における負動産になりやすい物件とは?】
近年、親が亡くなったことで不動産を相続したけれど「古くて住めない」「マイホームがあり住む予定がない」などさまざまな理由から、空き家になってしまう不動産が増えています。
空き家になると、固定資産税や管理費など維持費用がかかるだけでなく、資産価値が低くなり売却することが難しくなることがあります。
そのような費用ばかりがかかり、不動産としての利用価値が低い物件は負動産になる可能性が高いといえるでしょう。
以下では、負動産の特徴とはなにか、また負動産はなぜ増えているのかをくわしく解説します。
●負動産の特徴
負動産は、所有しているだけで固定資産税や管理費用がかかってしまい、経済的な負担になってしまいます。
親から相続した不動産は、資産として価値があるものばかりではありません。
そのため、現実には売却したくてもなかなか売却につながらない物件が多く、利活用されない物件が全国的に空き家になっているのです。
このような状況を受け、2015年から「空き家対策特別措置法」による空き家の対策がおこなわれています。
この法律により「特定空き家」に指定され、適切な対処をおこなわない空き家に対しては、固定資産税が6分の1に減額される「固定資産税等の住宅用地特例」が適用されません。
つまり、空き家に対して適切な対処をしないと、固定資産税が6倍になってしまうのです。
そのため、不動産売却によって処分するなど、何らかの対策を取る必要があります。
●負動産が増えた理由①人口減少による需要の低下
社会問題となっている空き家などの負動産の増加は、さまざまな理由から発生しています。
原因の1つとして人口減少によるものがあり、実際に日本の人口は2008年から減少し続けています。
人口が減少することによって、不動産の需要も減少するというのは必然的なことでしょう。
●負動産が増えた理由②高齢化社会による空き家の増加
日本では少子高齢化問題が進んでいます。
高齢化により、親が亡くなり不動産を相続する際には、子どもはすでに結婚しマイホームを購入している場合も多いでしょう。
そのため、相続した実家などが活用されずに空き家となり、負動産となってしまうのです。
●負動産が増えた理由③若年層の生活の変化や考えの変化
時代は常に変化していくものです。
それと同時に、若い世代の方々の生活や考えも変化します。
昔は、結婚をしたらマイホーム購入という考えが一般的でしたが、今は必ずしもマイホームを購入するとは限りません。
購入するよりも賃貸物件を借りるという考え方をする人が増えています。
そのため、不動産を購入する人が少なくなり、売却しても売れないという問題が発生するのです。
【不動産売却における負動産になりやすい物件とは?】
不動産を売却したくても、価値がなく負動産になってしまう物件にはどのようなものがあるのでしょうか?
負動産になりやすい物件とは以下のようなものです。
1.老朽化した分譲マンション
分譲マンションは、高度成長期に資産価値が高まり、大量に建てられました。
その大量供給された分譲マンションの老朽化が現在問題となっています。
建て替えが必要な時期となっている分譲マンションの建て替えが、容易にできないためです。
マンションの権利者は1人ではありません。
建て替えには権利者の5分の4の許可、解体には権利者全員の許可が必要となり、簡単には許可が得られないのが現実です。
そのため、建て替えが難しくなり、売却するにも老朽化している物件は難しいケースが多く、負動産となってしまうのです。
2.別荘やリゾートマンション
バブル時代に建てられた別荘やリゾートマンションは、現在価格が下落しています。
それにくわえて老朽化も進み、さらに別荘やリゾートマンションとなると、生活するには少し不便な場所にあるので、売却が困難となっています。
その一方で、高額な管理費や固定資産税を支払い続けないといけないので、負動産となってしまうのです。
3.郊外の物件
都市部に人口が集中している日本では、郊外の過疎化が進んでいます。
過疎化が進んでいる郊外では、やはり不動産の需要は低く、価値は下落する一方です。
そのため、郊外では負動産が増える傾向にあります。
次回は「負動産」を売却する方法についてお話しします。