2022/07/09
家を売却する際の残置物の対応とは?トラブルや処分方法について
家を売却する際の残置物の対応とは?トラブルや処分方法について
家の売却時に、残置物の対応について悩まれる方は多いのではないでしょうか。
新居で新しい家電や家具を揃えている場合は、不要なものを置いて家と一緒に手放したいと思われるかもしれません。
しかし、残置物が原因で売却後に買主とトラブルになるケースがあり、扱いには注意が必要です。
そこで、家を売却する際の残置物の対応や処分方法をご紹介しますので、今回の記事をお役立てください。
【家の売却において残置物の対応について】
家を売却する際に、残置物の対応は悩ましい点かもしれません。
残置物とは、売主が不動産に残しているエアコンやシャワートイレなどの生活家電や家具が該当します。
残置物は処分する費用や手間がかかるので、出来れば残置物がある状態で売却したいと感じている方は多いでしょう。
しかし売却時の残置物は、一般的には売主が処分するものとされています。
残置物の所有権は本来売主にあり、買主が残置物を処分したい場合は売主の許可が必要です。
ただし、どのように売却するかによって残置物の扱いが異なるため、残置物の対応についてケースごとに解説します。
【不動産会社が仲介して売却する場合】
不動産会社が仲介して一般顧客に家を売却する場合は、売主が残置物を処分することが一般的です。
購入希望者が内覧した際に残置物があると良い印象を受けないので、撤去しておくことがスムーズな売却への第一歩です。
内覧時に慌てて対応することがないように、計画的に処分しておくことがおすすめです。
売主にとっては残置物の管理状態が良く問題なく使える場合や、最新の機器である場合、買主に喜ばれるだろうと思われるかもしれません。
しかし買主にとっては中古の家電や日用品は、マイナスな印象を受けるケースがあります。
エアコンや照明など取り付けが困難な生活用品に関しては、喜ばれる場合もありますが、基本的にマイナスイメージに繋がると認識しておきましょう。
買主が付帯設備として残しても良いと判断した場合のみ、撤去は不要となります。
撤去しない場合は、設備表などを用いて売主と買主の認識をすり合わせておくことが大切です。
【不動産会社が買取する場合】
不動産会社が家を買取する場合においては、残置物を必ずしも撤去する必要はありません。
不動産会社が、残置物ごと家を買い取って残置物を処分します。
買取価格は、残置物の撤去費用などを考慮した金額になるため、通常の売却価格よりは安くなる傾向があります。
人件費や作業代金もあわせてかかるため、買取価格をできるだけ下げたくない場合は、事前にご自身で撤去することがおすすめです。
【家の売却において残置物に関するトラブルについて】
家の売却において残置物の対応は、仲介であれば売主がおこない、買取であれば不動産会社に依頼できることがわかりました。
一方で、特殊なケースにおいては残置物に関するトラブルが発生しやすいので、以下の2つの事例をご紹介します。
●残置物に関するトラブル①任意売却
通常、家を売却する際は住宅ローンを完済し、抵当権を抹消した段階でおこないます。
しかし任意売却であれば、住宅ローンの残債があったとしても、債権者が承認すれば売却が可能です。
任意売却の場合、資産面が逼迫していて、残置物を処分するための金銭的な余裕がないことも少なくありません。
不用品の撤去費用は基本的に売主が負担するものですが、事前資金の用意が難しい場合は、購入金額から撤去費用を差し引いて買主が撤去するケースもあります。
任意売却のような特殊な事情の場合は、売主と買主の双方が残置物の対応について共通認識を深めておくことが大切です。
「売主は残置物があることに買主が合意して売却したつもりでも、買主は売主が事前に撤去すると思っていた」など、トラブルに発展することがあります。
売主が事前に撤去できない理由がある場合は、売買契約書に記載して買主に承諾してもらいましょう。
どちらが処分費用を負担するかについて、明確にしておくとより安心です。
また、買主が残置物を認めると同時に、売主は残置物の所有権を破棄することを承諾する義務があります。
残置物にまつわるトラブルを回避するためには、買主に事前に説明し理解してもらいましょう。
●残置物に関するトラブル②競売
残置物に関するトラブルが起こりやすい事例の2つ目は、競売物件の場合です。
競売とは、住宅ローンが返済できなくなった場合に、債権者の申し立てによって地方裁判所が家を売却する制度です。
競売においても残置物の処分責任は売主にありますが、売主が残置物の撤去を放棄し、買主が処分せざるを得ないということが多くあります。
売主が残置物の所有権を放棄している場合は買主の手で撤去することができますが、所有権が売主にある状況だと簡単に処分できないのでトラブルの発生リスクがあります。
売主が所有権を放棄していない残置物を執行目的外動産と呼び、他者の判断で処分することができません。
競売で家を手放す場合は、買主に不利益がないように売主は所有権放棄の手続きをおこなうことが求められます。
何らかの事情で家に物を残す場合は、契約書に残置物の所有権を放棄する旨を記載しておきましょう。
そうすることにより買主の判断で処分でき、トラブルを回避できるでしょう。
家の売却において残置物の処分方法について
家の売却時には、事前に残置物を処分しておくことが大切です。