2022/07/28
家を任意売却する流れとは?ローンが残ったまま家を売却する方法
家を任意売却する流れとは?
ローンが残ったまま家を売却する方法
住宅ローンが返済途中であったとしても、転勤や離婚などの事情によって家を売却しなければならない状況があるでしょう。
任意売却はローンが支払えない場合に頼りになる制度である一方で、一連の流れに沿っておこなう必要があります。
任意売却を検討している方は、早めに準備を進めることがおすすめです。
スムーズに売却するために、任意売却の基本的な流れを把握しておきましょう。
【家を任意売却する流れ】
①価格査定から任意売却の許可を得るまで
まずは、ご自身の家が現段階でどれくらいの価値があるか「価格査定」をおこないます。
ここで注目すべき点は、ローンの残債に対して「アンダーローン」なのか、「オーバーローン」なのかというポイントです。
アンダーローンはローン残債が売却価格を上回ることをいい、オーバーローンはローン残債が売却価格を下回ることをいいます。
たとえば、ローン残債が1,000万円で、売却価格が2,000万円の場合はアンダーローン、売却価格が500万円の場合をオーバーローンとなります。
アンダーローンであれば、抵当権を外して売却する一般的な売却方法が可能です。
ただし、売却に関わる手数料を加味して、売却価格から手数料を差し引いた金額でローン残債が確実に支払えるか判断しましょう。
また、任意売却をおこなう判断材料として、ローン残高の確認が必要です。
金融機関から郵送される残高証明書や返済予定表などで確認しましょう。
書類が手元にない場合は、金融機関に問い合わせて正確なローンの残額と滞納額を確認して現状を把握しましょう。
改めてローン残高と売却価格を比較して、オーバーローンが想定される場合は任意売却をおこなう流れになります。
まずは、債権者である金融機関に任意売却をおこなう許可を取らなくてはいけません。
借り入れ金を返済していない段階での売却は、所有者の判断ではおこなえず、債権者の容認が必要です。
通常、不動産を担保とする抵当権が設定されたまま物件を売却することはできません。
ローン残債がある状態で、抵当権を抹消することを債権者に認めてもらわなければなりません。
また、売却期間に関しても債権者の判断に委ねられます。
指定された売却期間を過ぎると競売にかけられてしまうので、できるだけ長い売却期間を認めてもらえるように相談しましょう。
債権者が金融機関のみの場合はひとつの窓口に相談するだけで済みますが、債権者が複数の場合はそれぞれに確認しなければなりません。
調整のための手間も時間もかかることを把握しておくと良いでしょう。
さらに、複数の債権者のなかで売却額をどのように分配するかの調整も必要です。
すべての債権者から合意を得られない限り、任意売却は実行できないため、時間をかけて全債権者が納得する分配方法を見つけましょう。
債権者のリスクを軽減するために、信憑性の高い売却価格や残債の返済方法を提示することが債権者から賛同を得られるポイントです。
すでに住宅ローンを滞納している場合は、できるだけ早く債権者に任意売却を検討している旨を伝えましょう。
返済の遅延が続くと債権者は連帯保証人に請求する流れになり、多くの方を巻き込む可能性があります。
さらに債権者が競売の手続きを進めてしまうと家を強制的に手放すことになるため、債権者には早期に申し出て信頼を得ることが大切です。
次回は任意売却の進め方とポイントをお話しします。