2022/10/03
不動産の売却にかかる費用はどのくらい?売却時に発生する費用の種類
不動産の売却にかかる費用はどのくらい?売却時に発生する費用の種類を解説
不動産を売却するときには、税金・仲介手数料・報酬料などさまざまな種類の費用がかかります。
抵当権抹消費用など、普段馴染みがない種類の費用もいくつか存在します。
売却金額を手にする前に発生するため、事前にある程度の資金を用意しておくことが必要です。
不動産売却にかかる費用を確認して、スムーズに取引を進められるように準備をしましょう。
【不動産売却時に発生する費用の種類について】
不動産売却時に発生する費用にはどのような種類があるかを解説します。
決して安くはない金額なので、どのタイミングでどのような目的で支払わなければならないかを事前に知っておくと安心ではないでしょうか。
売主が負担する費用に関して、前もって整理しておきましょう。
●仲介手数料
不動産を売却するには、売却活動や成約後の契約手続きに精通している不動産会社に仲介依頼をする方がほとんどでしょう。
不動産会社は物件を売却するために、広告を出したり内見に立ち合ったり、販促活動をおこないます。
不動産会社が仲介して無事契約を成立した際は、売却活動の報酬として仲介手数料を支払います。
仲介手数料は、通常の売却活動をおこなううえで発生する費用であり、建物の解体やゴミの廃棄、遠方の購入希望者に対する営業のための出張費用などは含まれません。
●印紙税
売主と買主が売買契約を取り交わす際は、売買契約書に印紙を貼ることが義務付けられています。
契約金額に応じて印紙代が定められていて、契約書に印紙を貼り押印することで税金を納める納税制度です。
以下が契約書の記載金額ごとの税額です。
・契約金額100万円超500万円以下 税額1,000円
・契約金額500万円超1,000万円以下 税額5,000円
・契約金額1,000万円超5,000万円以下 税額10,000円
・契約金額5,000万円超1億円以下 税額30,000円
契約書は売主・買主の分として2通作成し、ご自身が保管する1通分の印紙代を各々が負担します。
なお、不動産会社と取り交わす媒介契約に関する契約書に印紙は不要です。
●登記費用
不動産売却をおこない、売主から買主に登記内容を変更する際にかかる費用の種類をご紹介します。
購入時に住宅ローンを利用した不動産を売却する場合、売却時点で住宅ローンの残債があるときは不動産に抵当権が登記されています。
抵当権が登記されている不動産は原則的に売却ができないので、抵当権を抹消する手続きが必要です。
その際に抵当権抹消費用が発生します。
抵当権抹消は個人でおこなうことも可能ですが煩雑な手続きのため、司法書士に代行を依頼することもできます。
依頼した際は、司法書士への報酬も発生します。
【不動産売却時に発生する費用「仲介手数料」について】
不動産売却の費用において、大きな割合を占めるのが仲介手数料です。
仲介手数料の、支払い義務が発生するのはどのような場合か、支払う金額の目安などをご紹介します。
●仲介手数料は成功報酬である
まず覚えておきたい点は、仲介手数料は契約が成立したら発生する「成功報酬」ということです。
不動産会社と媒介契約を交わしたタイミングでは発生しません。
不動産売却を中断した場合は、仲介手数料を支払う必要はありません。
また、不動産会社が物件を直接買い取ることになった場合も仲介手数料は発生しません。
媒介契約の種類によっては、複数の不動産会社に仲介を依頼できるものがあります。
契約している不動産会社が複数の場合、最終的に成約した不動産会社のみに仲介手数料を支払います。
成約に至らなかった不動産会社への支払いは不要です。
●仲介手数料には上限がある
仲介手数料の額は不動産会社が自由に設定できますが、宅地建物取引業法で仲介手数料の上限額が定められています。
不動産会社は、上限を超えない範囲で仲介手数料を売主に請求します。
上限額の計算方式は以下の通りです。
・売買価格200万円以下の場合 上限額5%
・売買価格200万円超400万円以下の場合 上限額4%
・売買価格400万円超の場合 上限額3%
さらに仲介手数料は消費税の課税対象になるので、消費税が加算されます。
また、売買価格が400万円を超える場合は、原則の計算方法より容易に算出できる以下のような速算式で計算することができます。
・売買価格200万円以下 5%
・売買価格200万円超400万円以下 4%+2万円
・売買価格400万円超 3%+6万円
簡便法を利用して売買価格3,000万円の仲介手数料を算出すると「3,000万円×3%+6万円=96万円」となります。
仲介手数料を計算するには、原則の計算方法と速算式があることを覚えておいてください。
仲介手数料を支払う際は、売却価格と照らし合わせて事前に計算しておくとよいでしょう。
次回は登記費用などについてお話しします。