2022/12/19
相続した空き家を放置するデメリットについて
【相続した空き家を放置するデメリットについて】
相続した不動産が空き家になってしまった際に、空き家を放置するデメリットについて解説します。
空き家を放置するデメリットを理解し、適切に管理するようにしましょう。
●空き家を放置するデメリット①建物の価値が下がるリスク
空き家を放置することで、建物そのものの価値が下落するリスクがデメリットとしてあげられます。
建物は年数が経過するごとに、資産価値が下がります。
具体的には、新築の建物の市場価値を100%とすると、10年後に約45%、20年後に約15%、さらにその後も年々下落をたどると言われています。
不動産の市場価値は日に日に下がっていくため、残存価値が残っているうちに何らかの解決策を講じることが大切です。
●空き家を放置するデメリット②特定空き家に指定される可能性
不動産を相続した方は「特定空き家」についても把握しておくことをおすすめします。
空き家問題が深刻化したことにより、平成26年に「空き家対策特別措置法」が制定されました。
空き家対策特別措置法によって、防災・衛生・景観面で地域住民に深刻な悪影響を及ぼしていると認められた空き家は、「特定空き家」に認定されます。
特定空き家に認定されると、空き家を管轄する地方自治体によって適切な管理の指導や勧告、命令を受ける可能性があります。
求められた助言に対応できない場合は、行政代執行として強制的に建物が取り壊される場合もあります。
さらに、取り壊しや解体にかかった費用は、所有者が負担しなければならないというデメリットがあります。
ご自身の不動産が行政代執行によって撤去されるという最悪の事態を招かないためにも、適切に管理するようにしましょう。
●空き家を放置するデメリット③所有者責任が問われる可能性
相続した不動産が老朽化している場合に、とくに気をつけたいのが所有者責任についてです。
「台風や地震により建物が倒壊して人が怪我をした」というニュースを耳にしたことはないでしょうか?
空き家の倒壊などにより人や物を傷つけてしまった場合、損害賠償などの責任は所有者が負うということを理解しておきましょう。
「屋根の瓦が強風によって落下した」「外壁が崩れた」などで人に怪我を負わせてしまった場合、所有者に過失がなくても責任を問われます。
【相続した不動産を空き家状態にしないための解決策】
相続した不動産に誰も住む予定がない場合は、空き家状態にしないための解決策を講じましょう。
放置することでさまざまなデメリットが生じるため、早めに行動することがポイントです。
以下で具体的な解決策を3つご紹介します。
●空き家状態にしないための解決策①解体する
建物を解体して更地にすることで、空き家を定期的に管理する必要がなくなるため、土地として活用するという選択肢が出てきます。
解体費用は基本的に、自己資金で賄わなくてはなりません。
ただし、助成金や補助金で空き家の解体を支援する自治体もあります。
まずは、お住まいの自治体で支援をおこなっているかチェックしてみると良いでしょう。
一般的な1坪あたりの解体金額は、木造は5万円、鉄骨造は7万円、鉄筋コンクリート造は9万円ほどです。
住宅密集地で重機が使えない場合や、隣家との距離が近い場合などは金額が変動します。
●空き家状態にしないための解決策②譲渡する
所有していることで責任を負っている状態から解放されたい場合は、希望者に譲渡するという方法もあります。
ただし、売却益が得られない「無償譲渡」になる可能性もあります。
無償譲渡は、資産価値が低くて売却がむずかしいとされる空き家に対しておすすめの解決策です。
●空き家状態にしないための解決策③売却する
空き家に市場価値が見込める場合は、売却して手放すことで、今後発生し続ける税金などの費用や空き家の維持管理の手間で悩まされることがなくなります。
また、相続によって取得した被相続人の居住用の建物の売却は、譲渡所得から3,000万円が控除される特例もあります。
ただし、下記の要件に該当する場合に限られるのでご注意ください。
・昭和56年5月31日以前に建てられた建物であること
・区分所有建物登記がされていないこと
・相続の開始以前に被相続人以外の方が居住していないこと
【まとめ】
相続した不動産が空き家になってしまってお悩みの方や、これから空き家を相続する予定の方に向けて、空き家を放置した場合のリスクや解決策について解説しました。