2023/04/10
不動産売却において知っておくべきレインズとは?仕組みや目的をご紹介
不動産売却において知っておくべきレインズとは?仕組みや目的をご紹介
不動産の売却時に、レインズというシステムを利用することが可能です。
不動産売却をご希望の方法で進めるために、レインズとはどのようなシステムなのか、仕組みや目的について把握しておきましょう。
不動産会社との媒介契約の種類には、レインズの登録が義務付けられているものもあります。
レインズについて把握して、上手に活用しましょう。
【不動産売却において知っておくべきレインズとは?】
レインズとは、国土交通省が指定する不動産流通機構が管理・運営しているコンピューターネットワークシステムです。
正式名称はReal Estate Information Network Systemであり、頭文字を並べてREINSと呼ばれています。
指定流通機構は全国に4つあり、東日本・中部・近畿・西日本に分かれています。
住宅の売買取引を扱っている不動産会社はほとんど登録していて、不動産取引において重要なインフラと位置付けられています。
レインズの目的とは、不動産取引を「適正に」「円滑に」おこなうことです。
不動産情報をレインズで一元化することにより、全国の不動産情報を把握することができるので、スピーディな売買取引が可能になります。
レインズにある情報は不動産会社しか閲覧することができませんが、「レインズマーケットインフォメーション」というウェブサイトを利用すれば、一般の方でもレインズに登録された情報の一部を閲覧することができます。
たとえば、購入希望者が物件の所在地や面積、間取りなどの条件を、レインズマーケットインフォメーションで検索すると、該当する物件情報を簡単に得ることができるのです。
これまでは複数の不動産会社に問い合わせる必要がありましたが、レインズマーケットインフォメーションを活用するとパソコン上で情報収集することができます。
物件情報のやり取りの流れがスムーズになることは早期成約に繋がりやすく、売主・買主ともにメリットがあります。
また、売却したい物件の情報をリアルタイムで拡散できるので、宣伝効果が高いと言えます。
レインズに不動産情報が登録されると、レインズに加入している不動産会社が検索した一覧に表示されます。
「顧客のニーズに合う」「ニーズが高い」と判断された物件の情報は、印刷されたりダウンロードされたりして、購入希望者により届きやすくなるのです。
さらに、これまでの売却記録が蓄積されていることもレインズの特徴です。
レインズに登録された物件の売買契約が完了すると、契約締結日や取引価格などの詳細が履歴として残ります。
レインズには取引の実例が豊富に蓄積されているので、相場や不動産の条件などを参考にすることができ、適正価格での安全な不動産取引がおこなえます。
注意すべきところは、先述のとおり、レインズを閲覧できるのは不動産会社のみで、一般の方が情報を検索したり登録したりすることはできない点です。
不動産売却の情報は多くの個人情報が含まれているため、一般の方が安易に検索できないように配慮されています。
レインズとは、業者専用のポータルサイトと考えるとわかりやすいでしょう。
一般の方が個人でレインズを利用することはできませんが、不動産を売却する際に不動産会社と契約し、不動産会社が媒介となってレインズを利用することは可能です。
【不動産売却時にレインズを利用する流れについて】
不動産売却の際に、レインズを利用する流れについて解説します。
レインズは宅地建物取引業者しか登録できないため、利用したい場合はどのような流れで進めていくか知っておくことが大切です。
●不動産会社へ売却相談
まずは不動産会社に売却について相談しましょう。
どのような方針で不動産売却を進めたいかを整理し伝えることが、不動産売却をおこなうポイントです。
レインズへの登録を希望している場合は、その旨を最初の段階で話しておきましょう。
●物件を査定する
不動産会社は、周辺相場や物件の築年数、間取りを参考に査定します。
不動産会社がおこなう査定においても、レインズは使われています。
レインズには過去の取引事例が蓄積されているので、売却する不動産の周辺の売買履歴を参考に、適正価格が算出されます。
●不動産会社と媒介契約を結ぶ
売主が査定額に納得したら、不動産会社と媒介契約を結び、正式に不動産売却の仲介を依頼する流れになります。
不動産売却の仲介手数料は売却が成功したときに発生するので、媒介契約を結んだ時点で費用はかかりません。
●レインズに登録する
媒介契約締結後、対象物件をレインズに登録します。
レインズへの登録が完了すると、指定流通機構から登録証明書が発行されます。
不動産会社から登録証明書が交付されるので、登録内容に間違いがないかを確認しましょう。
確認方法は、登録証明書に記載されているIDとパスワードで売却依頼主物件確認画面からログインし、会員ページを開くとご自身の売却状況が表示されます。
確認するポイントとしては、「物件所在地や築年数などの物件情報に誤りはないか」「図面が登録されているか」「取引状況が正しく表示されているか」です。
取引状況は、「公開中」「書面による購入申し込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つから選択します。
公開中になっているか確認しましょう。
以上が、売却する不動産をレインズに登録するまでの流れです。
次回は、媒介契約の種類とレインズとの関係についてご説明します。