2023/10/06
不動産の査定方法とは?査定方法の基礎知識について
不動産の査定方法とは?査定方法の基礎知識について
不動産の売却を考え始めたら、まず不動産会社に査定を依頼しましょう。
現在の不動産にどれだけの価値があるかを把握して、適切な価格で市場に出すことが売却を成功させる秘訣です。
不動産査定の算出方法は「取引事例比較法」「収益還元法」「原価法」の大きく3種類に分けられます。
それぞれどのような方法か解説しますので、不動産を査定に出そうと考えている方はぜひご参考になさってください。
【不動産の査定方法「取引事例比較法」について】
まずは、取引事例比較法について解説します。
取引事例比較法は、居住用不動産の査定で使用される算出方法で、試算された価格を比準価格と呼びます。
店舗や賃貸を目的とした不動産の査定には使用されません。
取引事例比較法の査定方法は、売却する不動産と条件が似ている類似物件の成約事例を選択し、対象物件と比較評価をおこなったうえで査定価格を算出します。
評点比較の評価材料となる要素は、具体的には以下のような内容です。
・駅までの距離
・日当たり
・築年数
・間取りや広さ
・室内の状況
取引事例となる不動産は、原則として対象物件の近隣地域または近隣地域と類似性を持つ地域にある不動産が選択されます。
類似性を持つ地域とは、住宅団地や繁華街など居住環境の特性が対象物件のある地域に似ているエリアです。
特殊な要因を含む案件は取引事例から除外されます。
たとえば、売り急ぎのため特別に安価で取引されたり、反対に買主の買い急ぎを目的に相場以上の高値で取り引きされたりすることがあります。
上記のように相場とずれが生じている取引は、取引事例比較法では採用されません。
査定をおこなう宅建士により、相場で取り引きされていて、適切な査定価格が算出されることが予測できる類似物件を選択します。
また、比較する事例の取引時と査定時で価格水準が異なる場合は、不動産市況を加味して時点修正をおこないます。
不動産市場は経済や景気など社会情勢に影響されるため、過去の不動産取引価格を単純に比較することはできません。
時間の経過とともに価格変動が認められた場合は、類似物件の取引時と査定時の価格の変動率を求め、取引価格を修正します。
時点の差を少なくするためにも、取引事例比較法で採用される類似物件は最近取引した事例を取り上げることが一般的です。
次回は「収益還元法」についてお話します。