三つある相続の方法

2021/06/13

三つある相続の方法

●単純承認

借金などのマイナスの試算も含めてすべての財産を相続する事です。単純承認には手続きは要りません。相続の開始を知った日から3か月間、手続きをすることなく経過すると単純承認したものとみなされます。

●注意点

相続財産は一部でも使ってしまうと、単純承認したものとみなされてしまいます。ただし、被相続人のための費用(葬儀や入院費の精算等)については、相続財産から支払っても単純承認したことにはなりません。

 

●限定承認

借金などのマイナスの資産がどれぐらいあるかわからない場合、プラス財産の範囲のみ相続する方法を限定承認といいます。相続財産の中に実家が含まれていて、「まだ母親が住んでいるため相続放棄はしたくない」といったケースなどで利用されています。限定承認は相続人全員が共同し相続開始を知った日から3か月以内に手続きをする必要があります。但し、相続財産の把握に時間がかかる場合は、家庭裁判所に申し立てることによって期間を延長できます。

●注意点

限定承認をした場合、不動産などの資産は譲渡したものとみなされ、みなし譲渡所得税が課せられる事があります。手続きは裁判所を通して行われ、複雑で手間も費用も掛かります。そのため、利用される方は多くはありません。利用される際、利用を検討する際は専門家にご相談されることをお勧めします。

 

●相続放棄

預貯金などのプラスの資産も、マイナスの資産もすべて放棄する事です。マイナスの資産が大きい場合に利用されることが多いです。相続放棄は相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。限定承認と異なり一人でも単独で手続きできます。

●注意点

相続放棄をすると、その人は初めから相続人でなかったものとされます。従来では相続人でなかった人が相続人になる可能性があります。トラブルを防ぐためにも、相続放棄をする際はあらかじめ相続人になる方に、伝えておくことをお勧めします。

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