ご相談の多い借地権のお話②

2021/07/02

ご相談の多い借地権のお話②

ご相談の多い借地権のお話②

前回に続き借地権のお話をしたいと思います。まず「増改築承諾料}についてです。

●増改築承諾料はどのような場合に授受されるのでしょうか?

借地契約に「増改築禁止の特約」が記載されていtる場合に、借地人が借地条件の変更を伴わない範囲で建物を増改築する場合に借地権者から地主さんに支払羅われる承諾料のことです。全面改装いわゆる建替えの場合は「建替え承諾料」と呼ばれる場合もあります。木造から木造・鉄筋コンクリートから鉄筋コンクリートなどあくまでも条件変更を伴わない場合の承諾料となります。

増改築ではなく通常の範囲の修繕については、原則、地主さんの承諾は不要です。但し、屋根の吹き替えなど大規模な修繕の場合は支払いの義務が生ずる場合があるので、事前に工事の内容を地主さんに知らせて、トラブルのないように進めましょう。

 

●「増改築承諾料」の相場・目安はいくらぐらいでしょうか?

借地非訴手続きにおいて裁判所が命ずる額が参考になります。木造から木造への建替えで、裁判例では更地価格の3~5%程度の支払い命令が示され、中でも3%の判例が多いようです。3%以上になるケースは床面積が著しく大きくなる場合や一般住宅から共同住宅への建替えなど借地の利用効率が著しく増加するような場合が多いです。但し、実際の借地非訴の裁判では、諸般の事情も考慮されますので、ご注意ください。

どうしても地主さんの承諾が得られない場合は、裁判所に申し立てて地主さんの承諾に代わる、許可をもらいます。但し、裁判所のが定めた「承諾料」の支払いが必要となります。

どちらにしても借地非訴の裁判は最後の手段です。何度も申し上げているように、当事間の信頼関係が崩れるとお互い良いことはありません。話し合いで決めるのが基本です。

●借地契約を更新されている場合、地主さんの承諾なく建替えをした場合、地主さんは借地契約の解約申入れができるので(借地借家法8条2項)ご注意ください。

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