2021/11/21
親子リレーローンで住宅を購入するメリット・デメリットとは?①
二世帯住宅などについて調べている際、親子リレーローンという言葉を目にすることはありませんか?
今回は、ローンを組む要件や条件、メリット・デメリットなどを解説していきます。まずはメリットからご説明します。
●親子リレーローンで物件を購入する際の要件とは?
親子リレーローンとは?
ひとつの住宅ローンを親子でリレー返済する方法を指します。
リレーという名の通り、親から子へローンを引きつぐ住宅ローンとなり、二世帯住宅で利用することも多いローンです。
親が先にローンの支払いをしていき、定年退職などのタイミングで、子どもにローンをバトンタッチするというイメージ、といえばわかりやすいでしょうか。
親子で支払うローンには、もう一つ親子ペアローンというものがありますが、こちらは親と子が同時に支払っていくローンとなります。
●親子リレーローンの申込要件とは?
親子リレーローンの申込要件は、金融機関によって多少異なりますが、以下のような条件を満たしていることが必要です。
●すでに同居中、もしくは将来同居の予定がある
●借入時の親の年齢が満70歳未満で、子どもの年齢が満20歳以上
●子どもの最終返済時の年齢が満80歳未満
●団体信用生命保険に加入できる
●双方に安定した収入がある
以上の要件ですが、同居の予定がなくてもローンが組める金融機関もあります。
金融機関や商品によって要件に違いがあるので、しっかり確認しておきましょう。
●親子リレーローンの比率とは?
親子リレーローンを組む際に気になるのが、どのような持分になるのかということではないでしょうか。
基本的に、比率については親と子で自由に決めることができます。
比率を半分にしても良いですし、親が10分の9、子どもが10分の1といった比率でも問題ありません。
●親子ペアローンとの違い
親子ペアローンという住宅ローンがあるのをご存じでしょうか。
似た響きではありますが、契約本数やローンの返済時期に違いがあります。
親子リレーローンは、住宅ローンの契約は1本で、親子ペアローンはひとつの住宅に対して、親と子がそれぞれ1本ずつローンを組みます。
また、親子リレーローンは、基本的に親が最初に支払いを開始し、親の支払い期間が終わってから子どもの支払いがはじまります。
親子ペアローンは、親と子が同時で支払いを開始するという違いがあります。
●親子リレーローンで住宅を購入するメリットとは?
次に、親子リレーローンで住宅ローンを組んだ際に、どのようなメリットがあるのか、みていきましょう。
●月々の返済額が抑えられる
親子リレーローンは、ローンの返済期間が一般の住宅ローンより長く組める場合があります。
その場合は、月々の返済額も抑えられるのがメリットといえるでしょう。
●高齢の親でもローンが組める
たとえば、親が65歳で住宅ローンを組む場合、完済時の年齢は80歳までなので、返済期間は15年となります。
3,000万円を、0.41%の金利、15年の住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額は、約17万円です。
65歳といえば定年後ですから、負担が大きくなってしまいます。
しかし、親子リレーローンを35年で組んだ場合はどうでしょう。
月々の返済額は約7万6,000円となります。
この金額ですと、賃貸住宅の家賃程度なので負担も少ないですよね。
●それぞれが住宅ローン控除を受けることができる
親子リレーローンは、最初に親が支払い、子どもの支払い開始は先になります。
しかし、住宅ローン控除は親も子も受けることができる、というのがメリットです。
住宅ローン控除は年末のローン残高により算出されます。
ローンの支払い額ではなく、残高が基準となるので、支払い前の子どもにも適用されるというわけです。
住宅ローン控除は、それぞれの持分によって算出されます。
たとえば、持分を2分の1ずつとした場合、住宅ローン控除も親子それぞれ2分の1ずつ受けることができるのです。
●借入額を増やすことができる
子どもがまだ若くて収入が少ないという場合、単体で住宅ローンを組む際に借入額には限度があります。
そのため、希望通りの住宅が建てられない可能性がでてくるでしょう。
親の収入が合算される親子リレーローンは借入額を増やすことができるのです。
逆に、親の収入がすくなくても子どもの収入が多ければ、親にとって親子リレーローンはメリットが大きいといえます。
とくに、二世帯住宅を建てる際、親子リレーローンに要件にぴったりと当てはまりますので最適といます。
次回はデメリットについてお話し致します。